Plastic Optical Fiber Sensing

Plastic Optical Fiber Sensing

English text is under preparation.

長い光ファイバに沿った任意の位置で歪(ひずみ:伸び縮みのこと)や温度を測定できる「分布型ファイバセンサ」は、安心・安全のため、精力的に研究がなされています。測定原理としては、ブリルアン散乱光の周波数シフトが用いられています。しかし、従来専ら用いられていたガラスファイバは数%の歪で切断されてしまうため、それ以上の大きな歪を計測することはできませんでした。そこで我々は、50-100%もの歪にも耐えられるほど柔軟性の高いプラスチック(ポリマー)光ファイバ(POF)中のブリルアン散乱を用いた分布型センシングに関する研究を推進しています。

分布型光ファイバセンサの概念

分布型光ファイバセンサの概念

POFを用いることで、計測可能な歪範囲の拡大のみならず、センサに対して、「記憶」という新機能を付与できます。POFは、塑性変形により印加歪情報をファイバ自身が記憶するという性質を持ちます。これを利用することで、「常に高価な解析装置をファイバの先端に設置しておかなくても、地震の後で市役所の方が1台の解析装置を持って巡回検診すればよい」というコンセプトの下、コスト面で大規模建造物にしか適用できなかったファイバセンサ技術を一般個人住宅や小規模集合住宅まで適用範囲を拡大できます。その結果として、例えば地震後の住民の避難所生活が短縮できると期待されます。大地震の不安と常に隣り合わせの日本にとって、ますます求められる技術であると考えられます。

これまでに、POF中のブリルアン散乱の観測に世界で初めて成功し、ブリルアン周波数シフトや利得係数、誘導閾値などの物性パラメータを明らかにしました。また、センシング応用に関する特性評価を行い、シリカ光ファイバとは大きく異なる特性を持つことを発見しました。この特性を用いれば、例えば、従来よりも遥かに高精度な温度センシング大きい歪のセンシングが可能になります。さらに、誘導散乱への遷移や励起光形状の最適化によって、ブリルアン散乱信号を増強させる実験にも成功しました。これらの研究は、東京大学の保立研究室やドイツ連邦材料試験研究所のK. Krebber博士のグループと共同で進めてきました。

POF中のブリルアン散乱の観測の実験系

POF中のブリルアン散乱の観測の実験系

ブリルアン利得スペクトル

ブリルアン利得スペクトル

そして最近、ついに POF中のブリルアン散乱を用いた歪・温度分布センシングの実証に成功しました。BOCDR技術(下記参照)に基づき、cmオーダの高い空間分解能・片端光入射での動作・高い信号対雑音比・高いサンプリングレート・低コストなどの長所を併せ持つ世界唯一の技術です。現在は、このPOF分布センサの性能を更に向上させるべく、「記憶」機能の実証超高速動作の実現実験系の簡素化などを目指した研究を進めています。

歪分布測定結果

歪分布測定結果

温度分布測定結果

温度分布測定結果


主な参考文献: Appl. Phys. Lett. 97, 021103 (2010); Opt. Lett. 36, 2378 (2011);
Opt. Express 20, 21101 (2012); Opt. Lett. 38, 1467 (2013);
Appl. Phys. Lett. 105, 091113 (2014); J. Lightw. Technol. 32, 3397 (2014) など.

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