自作のループアンプ

1~2W(ミニループ用)

この程度の出力のアンプには多くのICがあり、いろいろなものが作れます。
古典的なLM380やLM386を用いたものを示します。これらのICはキットもいろいろ出ています。
マイクを複数入力するためのプリアンプを組み込みました。

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4wire5

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LM386-1

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LM386-2

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上の写真は、LM386による4入力アンプと4芯電話コードによるループです。電池駆動(単3×4本)が可能です。(この4芯電話コードによるループは12mで約7Ωです。)

これらではLM386やLM380を反転アンプとして使っています。プリアンプも反転アンプであり、メインアンプを正ゲインのアンプとして使った場合、モーターボーティングが発生しました。特に電池駆動の場合は、電流が流れると電源電圧が振られ、それによってECMの電源も振られたためと思います。プリアンプ電源を3端子レギュレーターなどで供給すればモーターボーティングは起きにくいですが、反転アンプとすることで止まりました。

これらのアンプは小出力電流ですので、多芯ケーブルのループを机の上や説明パネルの裏に配置する場合などに有効です。また、そのような用途のためにECM(エレクトレットコンデンサマイク)が利用できるようにしました。(4入力)
LM380によるものは、車載ループとしても利用可能です。この場合、電源はシガープラグから取りますが、3端子レギュレターなどで安定化したほうが無難です。9V動作しますので、9Vのレギュレターが適当です。

このような旧式のアンプは出力に大容量のカップリングコンデンサ(直流カット用)が入っていますが、この容量とループのインダクタンスの共振を5-10kHzにおくことで、多周ループによる高域での低下を持ち上げることができます。

フラットケーブルを利用した多芯ミニループとECM

フラットケーブルを利用した多芯ミニループとECM

外周で400mm×265mm、20周で4.7Ω、0.28mHです。これだけからは広域遮断周波数は2.7kHzと計算できます。
机上や説明パネルの裏などに配置し、近づいたときに説明などを流すのに適しています。

5W

東芝TA7252AP(㈱秋月電子通商のキット)を利用した例を示します。

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TA7252-1

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TA7252-2

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このICは単体でゲインが高い(53dB)です。FETによるプリアンプをつけています。
2Ω負荷にも対応し、電流もかなりとれるのでループに向いています。
4芯スピーカーケーブルによる20mループでも実用になります。

これ以上の出力のパワーアンプICも各社から出ていますが、出力の大小にかかわらず、オーディオパワーアンプはデジタルアンプ(D級スイッチングアンプ)に急速に移行しつつあります。デジタルアンプは数100kHz程度のPWM信号などでスイッチングしているので、ループに接続した場合、スイッチング周波数成分が輻射される心配があります。ローパスフィルタや他の技術でこれは相当程度防がれており、スピーカーを駆動する場合は問題ありません。ループ線はその周波数特性からも高域は出にくいので、それほど問題にならない可能性もあります。

このようなデジタルアンプを利用した場合の影響については、まだ、詳細に調べておりませんので、なんともいえません。現状では従来のアナログリニアアンプが無難ですが、もし、デジタルアンプが利用できれ ば大きな出力のものが軽量小型かつ省電力で実現できます。