中村教授 の解説記事が 超音波テクノ に掲載されました。

中村健太郎, “超音波モータの30年とこれから,” 超音波テクノ, vol. 31, no. 2, pp. 1-5 (2019).

超音波モー タは圧電素子で発生した超音波振動で ロ ー タやスライダを擦って動かすモー タである。電磁力で動作する従来型モー タとぱ構造・動作原理が全く異なり、その特性も異なっている。高いトルクや推力が得られるため、ギアによる減速が不要であり、応答が速い。また、電力供給を止めれば、外部プレー キ機構無しで摩擦力のために位置が保持される。このことは、位置決め用途では総合的にみて低消費電力であることになる。電磁モー タに比べると電磁ノイズ輻射が小さい、非磁性化が可能であるなどの特徴も有している。ギアレスであることは低騒音であることも意味する。また、電磁モー タでは実現しにくい円板型やリング型の実現が可能である。 一方、高周波電源が必要であるため単純用途にはコストがかかることや、摩擦駆動であるための摩耗が避けられないことがデメリットとなる。
振動でものを動かすというアイデイアは古くからいくつかあるが、現在までに実用化されている超音波モー タにつながる研究開発は1980年前後に日本で 始められた。本誌が創刊されたころは日本企業による超音波モー タの開発や応用試験が華やかであったころである。その後、カメラの自動焦点合わせを中心に、顕微鏡ステージや半導体製造装置、ロ ールカーテンなどへの応用が進められ、さまざまな方式が開発されたことは本誌の記事でも繰り返しとりあげられているとおりである。